not to say と more A than B

あ)He was surprised,not to say upset,to hear she had left.

間違った日本語訳が付されているらしい。
そして、この文は次の文と同じような意味を表します、という。

い)He was more upset than surprised to hear she had left.

意味の強さが違うらしい。
 
彼女が去っていったという事実に対する彼の反応を描写する単語として、
あ)は、upset の方が surprised よりもふさわしいかもしれない。
い)は、upset の方が surprised よりもふさわしい(驚いたのも事実だが)。


not to say …

say を辞書で引くとnot to say …は「…とは言わないまでも」とある。
例文として
He looked annoyed not to say furious.
「彼は激怒したとは言わないまでもいらだっているようだった。」
upset は、うろたえた、気分を害した、怒ったとある。
surprised は、一般的な意味の「驚いた」。

以上から、
あ)は、「彼は彼女が去ったと聞いて、狼狽したとは言わないまでも驚いた。」となる。

あ)も い)も「日本人の英文法V」T.D.ミントン先生の指摘する文で、意味の強さの違いを教えてくれる。

ここで終われば理解ができてないことになりそう。
狼狽したのか、していないのか?

アルクweb上の辞書によれば、
《A, not to say B》Bとは言わないまでもA、Aが適切な表現でBは言い過ぎかもしれない
《A, not to say B》Aと言ったがBと言った方が適切かもしれない、AというかB、Bと言ってもよいくらいA

混乱が見える。
たぶんミントン先生の上記本を読んで、下の訳も加えたのかもしれない。

私の理解は次のよう。
「彼は驚いた。」これは動かせない。
not to say upset これはなくても文意は変わらない。
「狼狽したとは言わないまでも」これが問題。
要は日本語の問題。
直訳的には、「狼狽と言うべきでない」のだ。
それなら、書かなけれ、言わなければ良いのに、と思う。
英語は、主張の言語と聞く。しかし、直接的な表現も嫌うところがある。
相手に失礼と捉えられることを嫌うのだ。
だから仮定法がよく使われる。
本文も狼狽という失礼な評価を含意する言葉を「言うべきでない(が)」を入れて発言者の評価を入れたのだ。

結局、「狼狽したとは言えないまでも」は、聞く人に狼狽したかもしれいないという意識を持たせる効果を期待したのだ。
日本語でもこんな場合も存在する。

最近の安倍総理の発言で、「印象操作は止めて下さい」というのがあるが、それだ。




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